
大学院で,子どもの発達や教育,マルトリートメント(虐待)について研究している「こまこ」です。
子どもにどんなことを習わせよう?やっぱり英語は早くからやるべき?と悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか?
「塾に習い事に,毎日大変」「勉強がわからないけど聞ける人がいない」そんなお子さんもいるでしょう。
今回は,「教育マルトリートメント(教育虐待・教育ネグレクト)」に関する,一般向けの本をまとめてご紹介します!専門的な知識がなくても読むことができます。
子どもを育てるヒント,自分の人生をより良くするためのヒントが詰まっているはずです!
紹介するのはこちらの4冊!
読みやすさを重視して読みやすい順に並べました!
- 「勉強しなさい!」エスカレートすれば教育虐待
- 教育虐待・教育ネグレクト
- ルポ教育虐待
- 教室マルトリートメント
「勉強しなさい!」エスカレートすれば教育虐待

単行本:1430円(税込)
ページ数(単行本):220ページ
特に小学生や就学前のお子さんを育てる現役ママ・パパ向けの1冊です。子どもの教育(習い事)に関するハウツーが紹介されています。「かつては教育虐待していたかもしれない」と語る先輩ママの体験談も読むことができます!
レイアウトも,カラーや太字がたくさん使われていて,とても読みやすいです。
次に紹介する『教育虐待・教育ネグレクト』の著者である古荘教授のコメントなども紹介されています。
製作は日経DUAL(働くママ・パパのためのメディア)です。他の書籍やコンテンツはこちらから見ることができます!
Twitter:https://twitter.com/nikkeiDUAL
教育虐待・教育ネグレクト

発達障害に関する事例が多めの新書です!
Kindle unlimitedで無料!
新書:880円(税込)
ページ数(新書):270ページ
この本の特徴は,「教育ネグレクト」にも触れられていることです。教育虐待と聞くと,勉強のさせすぎなどをイメージしがちですが,子どもに必要な教育を与えないことは,教育ネグレクトになる可能性があるんです…!
著者は,古荘純一教授(青山学院大学教育人間科学部教育学科,小児科医)と,磯崎祐介さん(古荘教授ゼミに所属する(当時)大学院博士課程学生,発達障害当事者)です。
古荘教授の経歴,学歴,論文,書籍などはこちらからもご覧になれます。
https://researchmap.jp/read0083729
古荘教授の書籍,これもオススメ!
『自己肯定感で子どもが伸びる――12歳までの心と脳の育て方』
大事なポイントが,実例を交えて「しつけ編」「日常編」「勉強編」に分けて紹介されています。
教育ジャーナリストによって執筆された新書,ルポルタージュです!
※ルポルタージュ:取材記者、ジャーナリスト等が、自ら現地に赴いて取材した内容を放送・新聞・雑誌などの各種メディアでニュースとして報告すること(Wikipediaより)
新書:1100円(税込)
ページ数(新書):195ページ
この本の特徴は,「子どもシェルター」での事例が紹介されていることです。叩く,殴るなどの虐待では,先生や近所の人などが気付いて児童相談所へ通告することがあります。しかし教育虐待では,そうではないケースが多いのです。
教育虐待の闇から這い上がり自分の人生を取り戻した彼らの物語から我々が学び取るべき本当の教訓は,「どんな道を歩むことになったとしても,そのひとらしくいられる限り,ひとは輝く。だとすれば親は,自分の理想を子に押しつけるのではなく,ありのままの子どもを認めてあげればいい。そうすれば,子どもは,いまこの瞬間にも,まぶしいくらいに輝き始める」ではないだろうか。(おわりに より)
ルポ教育虐待
著者は,おおたとしまさ(教育ジャーナリスト)です。他には『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』などの著書があります。
オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp/
Twitter:https://twitter.com/toshimasaota
教室マルトリートメント

単行本:2200円(税込)
ページ数(単行本):308ページ
学校,教育現場で起こっているマルトリートメントに焦点を当てた1冊です。どのようなマルトリートメントが発生しているのか,それが子どもにどのような影響を与えるのか,そしてマルトリートメントを防ぐためにできることとは何かについて,わかりやすい言葉で丁寧に解説されています。
「本書の位置付けは?」と問われたら,「教育現場を俯瞰した上で,教室マルトリートメントが日本の教育界の構造的な問題から生み出されていることを指摘し,さらにその背景には教師の『不安』が潜在することを理解するための基本的枠組み」とでも言うべきものだろうと思います。(終章 教室の空気を変えていきたいあなたへ より)
教室マルトリートメント
著者は,川上康則さん(東京都立矢口特別支援学校主任教諭,公認心理師,臨床発達心理士,特別支援教育士スーパーバイザー)です。
他の著書は,『こんなときどうする?ストーリーでわかる特別支援教育の実践』『通常の学級の特別支援教育ライブ講義発達につまづきがある子どもの輝かせ方』『子どもの心の受け止め方』などがあります。
まとめ
今回は,「教育マルトリートメント(教育虐待・教育ネグレクト)」に関する本を4冊ご紹介しました。みなさんにとってベストな1冊をぜひ見つけてみてください!
編集後記
夏休みが到来し,炎天下の中での登下校から解放されたこまこです。涼しい家から一歩も出ない生活はとても快適です。コロナも心配ですが,みなさんはいかがお過ごしでしょうか。私は中学受験の経験があり,中高は私立の一貫校に通っていました。自分自身,元々「教育マルトリートメントを受けた」という自覚はあまりなかったのですが,様々な書籍を読み進めると,いくつか思い当たる点がありました。
みなさんにも,「あれはマルトリートメントだったのか…」となることがあるかもしれません。ショックを受ける方もいらっしゃると思います。心的負担が大きいなと思ったら,読むことを中断なさってくださいね。健康第一です!
身体の健康にもお気をつけてくださいね。